新規事業開拓は、BtoB企業にとって市場での成長と競争優位を築くために欠かせない戦略です。しかし、成功を収めるためには、適切な手法を選ぶだけでなく、潜むリスクや落とし穴をしっかりと把握しておく必要があります。
本記事では、新規事業を成功に導くための12の具体的な手法と、見逃しがちな6つの落とし穴を詳細に解説します。
これらのポイントを押さえることで、リスクを最小限に抑えながら、新たなビジネスチャンスを捉えることが可能になるでしょう。新規事業に挑む企業にとって、必見の内容です。
Contents
BtoBの新規事業開拓に効果的【12の手法】
BtoBは企業同士の商取引であるため、ネットショッピングや動画配信サービスなどが対象となるBtoCとは異なり、例えば製造業で使用される機械部品から会計・事務ソフトなど、扱う商材は多岐にわたります。
取引金額が大きく、長期契約の可能性も高いというBtoBならではの特徴を踏まえ、マーケティング戦略を考える必要があります。
ここでは、BtoBの新規開拓に以下に記す、効果的な12の手法を紹介します。
- オウンドメディア
- リスティング広告
- オフライン広告
- プレスリリース
- フィールドセールス
- SNS運用
- ウェビナー・展示会
- 名刺の活用
- 問い合わせフォーム営業
- DM(郵送DM・FAXDMなど)
- 紹介営業
- テレアポ
それでは、順に解説していきますので、自社の状況やタイミングにあわせて適切な手法を活用しましょう。
オウンドメディア
オウンドメディアは自社が運営するブログです。ユーザーが求める情報を発信し、ブログに訪問したユーザーに対して自社商品やサービスを訴求する施策です。立ち上げ費用がかかりますが、リスティング広告に比べ費用を抑えることが可能です。
一方でユーザーに訪問してもらうためには、SEOや広告などの対策をする必要があり、それらの知識も求められます。
リスティング広告
リスティング広告とは、Google検索エンジンなどにおいてユーザーの検索キーワードに連動して表示される広告です。リスティング広告を利用する場合は狙いたいキーワードを設定し、キーワードの規模に応じた入札額を入札することで、検索上部に出稿されるしくみです。
リスティング広告の管理画面では、
- 広告の表示回数
- クリック単価
- 問い合わせ数
など広告の効果を確認することができます。
広告を2つ用意して、A/Bテストを行うなど効果検証することも可能です。
一方で、キーワードによってはクリック単価が高く、多額の広告費用が必要になる場合があります。リスティング広告を検討する際は、ある程度の予算を用意し、商品・サービスを宣伝するタイミングなどを見計らって利用するようにしましょう。
オフライン広告
新聞や街中での看板、電車内のつり革広告、タクシーなどを利用した広告手法をオフライン広告と呼びます。
オフライン広告は公共性が高く、屋外看板や交通機関などでの露出が保証されるため、多くのユーザーに認知させることができます。
また、エリアを絞り出稿を行うので、効果的なエリアへピンポイントでのターゲティングが可能です。
店舗営業など所在地が集客に大きく影響するサービスや、インターネットを利用しない年齢層を対象としたサービスの場合、新規顧客の集客手段として有効に利用できるでしょう。
プレスリリース
プレスリリースとは、企業の新商品や新サービスを文書として各メディアに発信することです。
PR TIMESなどのプレスリリース配信サービスを利用して一斉配信し、効率的に発信するのが一般的です。マスコミなどが自社が新しい取り組みや商品を取り上げニュースとして拡散されれば、自社の認知度の向上につながります。マスコミに取り上げてもらうためにも、話題性や意外性を意識したプレスリリースを作成することが重要です。
フィールドセールス(飛び込み営業など)
フィールドセールスとは、顧客もしくは見込み客を直接訪問し、対話を通じて製品やサービスの受注へとつなげる、従来から存在するスタンダードな営業手法です。
多くの顧客先に訪問するために時間やコストがかかりますが、相手と面会ができれば、直接話ができるというのは大きな利点です。
さらに、既存顧客と継続的なコミュニケーションを行うことで、より高単価のサービスへの切り替え受注や関連製品の受注を獲得できる可能性もあります。
SNS運用
SNS運用とは、X(旧Twitter)やFacebook、InstagramなどのSNSで自社アカウントを作成し、不特定多数のユーザーに情報を発信する手法です。
潜在顧客へアプローチを図る営業手法で、商品・サービスの特徴や自社の魅力などを発信し、フォロアーを増やし購入を促します。
BtoCのビジネスで多く利用される手法である一方で、例えば日本の自転車部品メーカーが「ペダル」の情報を世界の自転車メーカーに向けて発信するなど、最近ではBtoB企業でのSNS運用の事例も増えており、新規顧客の開拓にも重要なツールになってきており。
ウェビナー・展示会
展示会はオフラインで行われるイベントで、オンライン(Web)で行われるセミナーのことをウェビナーと呼びます。自社の技術や魅力、自社の商品・サービスを直接アピールできるほか、受注につながらなかったとしても、参加者とのコネクションを作ることができる、新規顧客や見込み顧客の獲得を目的とした手法です。
イベント後、参加者にアンケートに回答してもらうことで、他社の需要や、自社製品の改善点などのフィードバックを得ることができるという点でも、メリットがある方法と言えるでしょう。
名刺の活用
自社サイトの訪問者を調べようとしても、閲覧した人の個人名までは特定できません。しかし、名刺があれば氏名から部署や役職、メールアドレスも特定することができます。
名刺交換をした当時は取引に至らなかったとしても、その後新商品が開発されたり、相手企業の状況の変化によって、相談が広がる可能性は十分にあります。
営業部門や技術部門が持つ名刺情報を、マーケティング部門も把握し、自社サービスを改めてアピールできるタイミングで、再度アプローチする手法も有効な営業手法です。
問い合わせフォーム営業
お問い合わせフォーム営業とは、各企業のホームページなどに設けられている「お問い合わせフォーム」から連絡する営業手法です。
お問い合わせフォーム営業では、同様の内容で多くの企業へアプローチをかけることができ、手動で各社へ送信するためエラーも起こりづらく、開封率が高い特徴があります。
自社の情報をある程度伝えたうえで、相手からのアクションが発生するため、高いアポイント約定率が見込める営業手法です。
DM(郵送DM・FAXDMなど)
DM(ダイレクトメッセージ)とは、郵便やFAX、電子メールを使って個人や法人に自社の商品・サービスの情報を直接届けることです。
デメリットは、時間とコストがかかるうえに、送付しても読まれない可能性があることです。
DMはターゲット顧客や商品・サービスにあわせて、顧客の興味を引くような原稿の内容やデザインの工夫が必要です。
電子メールの場合は、到達率や開封率、クリック率などの指標を測定することができるため、これらの指標を分析し、的確なターゲットに適切なタイミングで送付するなど対策を講じていきましょう。
紹介営業
商品・サービスを利用している既存顧客から新規顧客を紹介してもらう手法です。既に顧客が商品・サービスを利用しているので、新規顧客の商品・サービスに対する不安感を払拭することができます。
紹介をしてもらうために、まずは既存顧客と信頼関係を築く必要があります。定期的なアフターフォローを行い、既存顧客にとって信頼できる存在であることをアピールしていきましょう。
テレアポ
テレアポは、営業リストをもとに企業に電話をかけて訪問や商談のアポイントを取る営業手法です。電話1つで多くの企業にアプローチすることができ、効率の良い営業手法であるといえます。一方でターゲットを絞らないと見込みのない企業にも電話することになってしまい、効率低下を招いてしまいます。
テレアポを行う際は、目的やターゲットに合わせた法人リストの準備が必要です。自社で準備ができない場合は、テレアポ作成サービスを活用することで、精度の高いテレアポリストを作成・購入することができます。
新規事業開拓時の落とし穴【6選】
規模に関わらず、新たに事業を立ち上げることはそもそも難易度が高いものです。しかし、一般的な新規事業開拓のもつリスクや陥りやすいミスの特徴などを把握しておけば、少しでも成功率を高めることができます。
ここでは、よくある落とし穴として以下の6つを紹介します。
- 市場に需要がない・参入のタイミングが悪い
- 予算の過小または過剰投資に陥る
- 新規事業に対する愛着が強すぎる
- 従業員のモチベーションが低下する
- 過剰な自信により軌道修正を怠る
- 準備不足による事業失敗は少なくない
順に解説いたしますので、これらを認識し新規事業の立ち上げにいかしましょう。
市場に需要がない・参入のタイミングが悪い
市場への参入タイミングは、非常に重要な要素です。
特に注意したいのは、流行やブームが過ぎた後に参入してしまうケースです。
例えば、「映え」ブームにより急増したタピオカ店が、数年も経たず一斉に減ったことは、ユーザーとして感じた方も多いと思います。
このように、流行に乗って始めようとする新規事業はその継続性の判断が難しく、参入のタイミングを外してしまうリスクが高くなります。
他にも、需要はあるもののすでに競合によって競争が激化してしまった後や、まだ十分に需要が伸びていない段階という場合もあります。
予算の過小または過剰投資に陥る
マーケティングに十分な予算を割り当てないと、ターゲット市場に十分なリーチができません。例えば、広告キャンペーンが小規模に留まり、主要な顧客層にメッセージが届かないことがあります。この場合、せっかくのプロダクトやサービスが広く認知されず、売上が伸び悩むことになります。
また、競合他社が十分なマーケティング投資を行っている場合、過小投資をしている企業は競争に負けやすくなります。特に、競争の激しい市場では、適切なマーケティング戦略とそれに見合う予算が不可欠です。
反対に、例えば計画性のない広告運用を実施した場合、予想以上に反応を得ることができず、広告運用への投資がかさむ可能性もあります。そのため、マーケティングのノウハウも身に付ける、もしくは代行サービスを活用する必要があります。
新規事業に対する愛着が強すぎる
「適切に撤退する」ことも、新規事業においては重要な選択肢のひとつです。
特に、思い入れがあり長期間準備してきた事業であれば、愛着が湧いて当然です。
しかし、客観的に見て成功確率が低い状況でも、その事業に執着してしまうとコストが膨れ上がり、他の事業に投資できるリソースが奪われ、企業全体の損失にもつながります。
そもそも新規事業の成功率は低いものであるという認識をもち、無理があれば撤退もしくは縮小する選択肢も冷静に判断できるようにしましょう。
従業員のモチベーションが低下する
事業を継続するなかで、モチベーションを継続することが難しくなる場合があります。
特に、収益が長期的に発生しないような時は、プレッシャーや不信感が大きくなり、当初の情熱を持ち続けられないメンバーが出てくることがあります。
とはいえ、各担当者一人一人が熱意をもって取り組まないと成功しないのが新規事業です。チーム全員がモチベーションを高く保てるよう、マネージャーや経営者による適切なはたらきかけが重要となるでしょう。
過剰な自信により軌道修正を怠る
事業立ち上げ当初は上手くいった場合でも、それが過信につながると事業に対してリスクを生みます。
社内の状況や、市場を含む外部環境は常に変わり続けるため、事業計画やアクションプランもその都度修正していく必要があります。
事業を成功させるうえで、自信は必要不可欠な要素ですが、「当初の計画がその通りに進むはずがない」ということを認識し、常に客観的に状況を判断しながら軌道修正していくことが重要です。
準備不足による事業失敗は少なくない
ここまでの解説のまとめにもなりますが、事業が失敗する最大の要因が「準備不足」です。準備万端だと思っていても、実はまだ以下のような不足点が残っているケースも珍しくありません。
- コンセプトが曖昧で強みがはっきりしていない
- 経営者のスキルが不足している
- 市場分析が不十分である
- 人材、資金などのリソースが不足している
経営者のスキル不足はすぐに解決できる問題ではありません。まずは市場分析をしっかりと行い、必要なリソースを確保したうえで、新規事業開拓に投資できるコストとそれに見合うリスクも把握しておきましょう。
リスティング広告や郵送DMなど、新規事業開拓の各手法に関するノウハウを把握するにも時間やコストがかかります。その際には、代行サービスを活用することで大幅にリソースの確保やコスト削減に繋がるケースも多いと言えます。
名簿エンジンでは、郵送DMからFAXDM、問い合わせフォーム営業代行など、各新規事業開拓の代行サービスも業界最安級のお値段で行っております。
現在お抱えの悩みも含め、いつでもお気軽にご相談ください。
BtoB新規事業開拓【成功させる4つのコツ】
最後にBtoBの新規開拓を成功させる4つのポイントを紹介します。これらのポイントを対策しておくことで、今後の新規開拓を効果的かつ効率的に行うことができます。
ターゲットを設定する
まず大事なのが、「誰に売るのか」というターゲットの選定です。BtoBの場合、個人と比べ見込み客となりうる法人の母数が少ないのが特徴です。そのため自社の商品・サービスを活用してくれそうな業界・業種を明確にする必要があります。
ターゲットを設定することで、
「だれに」
「何を」
「どのように売るか」
など、ターゲットごとの施策を立てることができるようになります。
営業リストを作成する
営業リスト作成はテレアポやDMを行う際に必要な工程です。自社のターゲットとなる企業のリストを作成することで、営業の効率化につながり利益向上に貢献します。
リスト作成には、
- インターネットで情報を収集し自分で作成する
- リスト収集サービスを利用する
- リスト販売会社で購入する
という3つの方法があります。
「他の業務に専念したい」「手間なく法人リストを用意したい」と思う方は、法人リストの購入がおすすめです。
販売されている営業のリストは、目的・ターゲットにあわせたものが多く、なおかつリスト数も豊富なので営業活動の即戦力となりえます。良質な営業リストを購入して、営業活動の生産性をあげていきましょう。
弊社サービスの「法人名簿エンジン」は、業界屈指の良質な営業リストを販売しています。
法人名簿エンジンの主な特徴は以下の通りです。
- 業界別・目的別の法人名簿・法人リスト
- 0.1円/件から購入が可能
- 最短1営業日でデータを送信
- 定期的に更新を行い、情報は最新
- 請求書払い(後払い)が可能
- 会員登録不要で簡単4ステップで購入可能
顧客の課題解決を意識する
BtoBの新規開拓の最終目的は、顧客の問題解決です。営業では、どうしても「商品・サービスを売りたい」という気持ちが先行してしまいがちです。この気持ちが強いと、顧客には押し売りと思われイメージもよくありません。
顧客の問題やニーズを把握するためには、ヒアリングに徹することが大事です。効果的なヒアリングを行うためにも、事前に顧客情報や業界のトレンド、時事ネタなど、相手が興味をもってくれそうなネタを用意するようにしましょう。
自社商品の強みを提示できるよう準備する
商談や受注につなげるために、どのように自社の商品やサービスの特徴を伝えれば良いかを考えることも重要です。
見込み顧客の立場になり、その商材によってどの程度の費用対効果が得られるのか、イメージできる情報を伝える必要があります。
見込み顧客が各々で感じている課題は異なるため、それぞれに応じたアピールを行うことが大切であり、そのためには自社の商品やサービスの強みと弱みを理解しておかなければなりません。
BtoBの新規事業開拓なら「名簿エンジン」
BtoBの新規事業開拓には、様々な営業手法があることについて解説してきました。
名簿エンジンでは、郵送DMからFAXDM、問い合わせフォーム営業代行など、各新規事業開拓の代行サービスも業界最安級のお値段で行っております。
また、リスト販売業者であり、所有するリスト数は約720万件以上と業界最大級です。まだ未開拓なエリアやジャンルの見込み顧客に対しアプローチすることもできるため、幅広い営業活動をサポートさせていただきます。
現在お抱えの悩みも含め、いつでもお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、BtoBの新規開拓に効果的な手法と成功するためのコツについてご紹介しました。
BtoBの新規開拓には様々な施策があります。自社の商品・サービスや状況にあわせて最適な施策を見つけることが大切です。当記事を参考に今後のBtoB新規開拓に役立てて頂ければ幸いです。