新規開拓において欠かせないのが、新規開拓先の企業リストです。ただ闇雲に未開拓の顧客先に訪問すればいいわけではありません。新規開拓リストを作成し、見込みのある顧客に戦略的にアプローチすることが新規開拓の成功の秘訣です。
本記事では、新規開拓リストの情報の集め方・探し方と作り方のポイントについて解説します。
新規開拓リストとは
新規開拓リストとは、新規開拓を行う際に使用する見込み客をまとめた顧客リストです。
新規顧客リストがあれば顧客情報を一覧で確認できるようになり、営業活動の効率化・成約率の向上につながります。
つまり新規開拓リストの内容がどれだけ充実しているかどうかで、新規開拓が成功するといっても過言ではありません。
新規開拓リストの探し方・集め方【無料編】
新規開拓を成功させるためには、見込み客の選定と情報の網羅性など、いわゆるリストの「質」が重要になっていきます。
今や情報があふれる現代社会。さまざまな情報源から情報を集めることができます。
ここでは、下記4つの無料でできるリストの探し方・集め方をご紹介します。
- 企業の公式ホームページ
- 求人サイト
- 電話帳サイト
- 自社データベース
①企業の公式ホームページ
各企業のホームページから情報を集める方法です。企業のホームページは、企業が管理し情報を発信しているため、信憑性・正確性があります。
各企業を一つひとつ調べる必要があり時間と手間を要しますが、作成自体にコストはかからず、より確度の高いリストを作成することができます。
②求人サイト
マイナビやリクナビなど求人情報サイトから情報を集める方法です。これら求人サイトは、業種や地域、規模など条件を指定して検索することができ、効率よくリスト作成することが可能です。
また、レバテックキャリアのようにIT人材に特化した求人サイトもあり、目的やターゲットにあわせてサイトを変えて情報を絞って検索するのも一つの手です。
③電話帳サイト
タウンページなど電話帳から情報を集める方法です。電話帳にはさまざま企業電話番号が記載されており、テレアポなどに向いています。
特にタウンページでは、インターネットで検索可能なiタウンページというサイトも開設しています。無料の会員登録をすると、お気に入りの地域やジャンル、お店などが記録できるため便利です。
しかし詳細な企業情報の載っていないためにテレアポ以外の営業には向いていません。
④自社データベース
社員が持っている名刺や、セミナーを開催した際に集めた参加企業情報など自社が保有しているデータから情報を集める方法です。一見自社のデータの企業は、すでにアプローチが済んでいると思われがちですが、そんな事はありません。
「名刺はもらったがアプローチしていない」「相手が忙しくて提案が出来ずじまいだった」など、自社データの中にも見込み顧客が眠っている可能性があります。
外部ソースで情報を集める前に、自社データベースで情報を探してみて活用できないか検討してみましょう。
新規開拓リストの探し方・集め方【有料編】
実際に新規開拓リストを作成するとなると、各企業の詳細な情報を一から調べる必要があり、時間と手間を要します。
有料のサービスを活用することで、リスト作成に必要な企業のリサーチの工程がなくなり、メインの営業活動に専念することができます。
費用はかかりますが、質の高い情報をすぐに集めることができるので、必要に応じて活用するようにしましょう。
ここでは下記5つの方法を紹介します。
- リスト収集ツール
- リスト購入サービス
- 営業代行サービス
- 信用調査会社のデータベース
- 四季報
①リスト収集ツール
リスト収集ツールとは、業種や地域などを指定して検索することで、インターネット上またはツール提供業者のデータベースから企業情報を抽出しリストを作成してくれるツールです。
当記事では業界最安のクラウド型法人リスト収集ツール「リスト収集くん」を紹介します。リスト収集くんでは、優良顧客リストを業種や地域などで絞り、自由にリストをカスタマイズすることが可能です。
現在は月額4,980円のベーシックプランのみを提供しています。
通常ベーシックプラン月間収集可能件数5,000件のところ、今なら期間限定で50,000件までダウンロードが可能となっていますので、定期的にリストが欲しいという方は検討すべきサービスです。
②リスト購入サービス
リスト購入サービスでは、あらかじめ業種やジャンルが決められたリストを購入します。
リスト収集ツールと比べ、リスト購入サービスは希望のリストを購入するだけですので、より早く手軽にリストを用意することができます。
弊社サービスの法人名簿エンジンは、530万を超える企業データを保有し、その中から業界別や目的別にパッケージ化された法人名簿を提供しています。
リストの情報も毎週最新の状態に更新しており、試しにサンプルデータを無料でダウンロードすることも可能です。
③営業代行サービス
営業代行サービスとは企業に代わって営業活動をするサービスで、アポイント取得から商談、顧客フォローなど営業活動全般を支援してくれます。
リスト作成も可能で、自社の目的やターゲットに応じて精度の高いリストを提供してくれます。
料金もサービスによって変わりますので、「費用対効果はあるのか」「営業代行会社の実績はあるのか」などを吟味して検討するようにしましょう。
④信用調査会社のデータベース
帝国データバンクや東京商工リサーチなど信用調査会社のデータベースから情報を集める方法です。信用調査会社とは、企業の金銭的な信用度を調査する会社であり、企業の支払い能力や倒産リスクなどを調べています。
信用調査会社は情報誌も発行しており、業績や財務分析などの企業の経済情報が掲載されています。定期的に更新されており、最新の情報を扱っています。
また業界ごとの信用度の統計なども記載されているので、業界の傾向を分析するときにも役立ちます。
⑤四季報
四季報を購入して情報を集める方法です。
金融機関のアナリストの業績予想が載っている「日経会社情報」や企業の給与体系や福利厚生が記載されている「就職四季報」などさまざまな種類があり、内容も豊富です。
値段も種類によって変わりますので目的にあった四季報を購入するようにしましょう。
良質な新規開拓リストの作り方とポイント
営業の成約率を高めるには質の高いリストが必要です。
良質なリストの条件は、以下6つを満たしていること。
- 情報が新しいこと
- リストに重複がないこと
- 自社ターゲットに沿っていること
- 企業情報が網羅されていること
- 営業メンバー全員で共有されていること
- 優先順位付けされていること
1. 情報が新しいこと
新規開拓リストを作るうえでまず大切なのは「情報の更新性」です。営業を行うにしても情報が古くては、役に立ちません。
「訪問したら会社が移転していた」「電話先が違う会社だった」など情報が更新されてないがために、業務に支障をきたすこともあります。
情報を集める際は、「その情報はいつ更新されたものか」と情報の更新性に注意するようにしましょう。
2. リストに重複がないこと
リスト作成においてありがちなのが「リストの重複」です。過去のリストや複数ソースの情報を1つにまとめようとすると、リストの重複が起きやすいです。同じ会社であるが英語表記とカタカナ表記で別々の会社として登録してしまったなどの原因が挙げられます。
リストに重複があると、同じ企業に何度もアプローチしてしまい、自社のイメージを悪化させてしまう恐れもあります。
過去のリストや複数のソースから情報を集める際は、情報の重複はないかを確認したり、同じ会社の支店の情報は統一するなどして、事前に情報を整理するようにしましょう。
3. 自社ターゲットに沿っていること
営業を行う上でなにより重要なのが、ターゲットを明確にすることです。新規開拓リストも自社ターゲットに沿ったリストを作成しなければいけません。
自社の商品・サービスに興味・ニーズがない顧客をリストに入れてしまうのはただ母数を増やすだけで、質の高いリストといえません。
- 「どのような業界の人にニーズがあるか」
- 「自社のサービスを利用してメリットがあるのはどんな企業か」
というように掘り下げながら、アプローチすべきターゲット像を明確にし、リストを精巧に作り込む必要があります。
4. 企業情報が網羅されていること
企業情報がどれだけ網羅されているかで、営業活動の確度も変わっていきます。まず基本情報(企業名・住所・電話番号・メールアドレス)の掲載は必須です。
特に企業名や住所は、事業拡大や事業内容の変更に伴って変更されることがありますので、注意しておきましょう。
基本情報だけでなく、以下の情報を把握しておくことで、営業活動の効率化ないし今後の対策のための分析がしやすくなります。
- 業種
- 部署
- 業績
- 現在の状況
- 今後の動向
- 担当者名
- 企業ホームページ
5. 営業メンバー全員で共有されていること
リストの情報を営業メンバーで共有することで、チーム全体の生産性向上につながります。
情報を共有し営業メンバーの情報や意見を取り入れることで、リストの精度がより高まります。メンバー同士でアプローチしている業種が同じなら、成功事例のアプローチ方法を他の企業で試してみるなどの応用も利くでしょう。
またマネージャーもチーム一人ひとりの進捗や顧客の情報を確認することができ、チーム内の担当の割り振りや今後の方針の決定など管理がしやすくなります。
6. 優先順位付けされていること
リストを業種や地域ごとに分けるだけなく、優先順位をつけることで営業の効率が格段に上がります。
営業活動は、いかに効率的かつ効果的に行うかが重要です。優先順位の基準として「重要度」「緊急性」で判断すると今後の営業活動がスムーズに進みやすくなります。
例えば、「この前訪問した企業は複数の商品で迷っていた、今訪問してひと押しすれば購入してくれるかもしれない」です。自社の利益になる可能性がある「重要度」とアプローチしないと他社商品を買ってしまう「緊急性」があります。こういった企業には優先してアプローチしていく必要があります。
このように優先度をつけ、ベストなタイミングで企業にアプローチすることで営業の効率が上がります。
まとめ
今回の記事では、新規開拓リストを作成する際の効果的な情報の集め方と作成のポイントについて紹介しました。
外部ソースから情報を集める際は、情報の更新性・統一性・網羅性など留意しておくことでより精度の高いリストを作成することができます。
また自力で作成するのが大変だと思う方は、有料のリスト収集ツールや購入サービスを利用することをおすすめします。リスト作成にかかる時間や手間を省くことができ、メインの営業活動に専念することが出来ます。
当記事を参考に、今後の新規開拓リストの作成に役立てていただければ幸いです。