営業代行サービスを利用したいと思いWebで検索してみると、「営業代行はやめとけ」という情報を目にすることがあります。営業代行に関するネガティブな情報を見ると、利用を躊躇してしまいますよね。
とはいえ、営業代行サービスを導入したことで「販路拡大など大きな成果が上がった」という成功例が多数あるのも事実です。
この記事ではなぜ「営業代行はやめとけ」と言われるのか、その5つの理由と営業代行で失敗しないための注意点について解説します。
Contents
「営業代行はやめとけ」と言われる【5つの理由】
「営業代行はやめとけ」と言われるのは、以下に挙げる5つの理由が主な原因です。
・費用対効果と見合わないケースがある
・自社に営業ノウハウが残りづらい
・営業活動の状況を把握しづらい
・情報漏洩のリスクがある
・専門職には不向きである
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
費用対効果と見合わないケースがある
営業代行サービスを導入するからには、当然新規顧客の獲得や売上の増加を期待するでしょう。
しかし、営業代行サービスの選定を間違うと、成果が大きく半減してしまうことがあります。また、契約時に営業範囲や稼働内容を明確にしておかないと、営業代行のメリットを活かしきれません。加えて、新規商材やサービスの営業は成果が出るまで時間がかかるケースが多いため、「費用対効果が悪い」と感じる人もみえます。
ただし、「目先の利益ではなく中長期目線で営業代行を利用する」「現状と同じコストでテレアポ件数を多くこなせるように設計する」など計画的に利用すれば、営業代行サービスの費用対効果を改善できる可能性は十分にあります。
自社に営業ノウハウが残りづらい
営業代行サービスを利用することで、数字的な成果の向上は期待できます。しかし、自社内に営業のノウハウが蓄積されにくいという難点もあります。そのため、自社での知識や技術が育たず、営業部門の強化が難しくなるというケースもあるようです。
また、自社での営業強化が停滞した結果、営業代行サービスに依存してしまう危険性もあるでしょう。
そういったリスクを回避するために営業代行は、ノウハウ蓄積とのバランスを取りながら戦略的に利用することが大切です。
営業活動の状況を把握しづらい
多くの場合、営業代行業者がどのようなアプローチで顧客との関係を築いているのかが分かりにくく、具体的な営業活動の内容がみえません。その点も「営業代行はやめとけ」と言われる理由の一つです。
営業活動の中には、コミュニケーション方法や顧客の反応やニーズなど、営業活動には貴重な情報が詰まっています。そういった情報が営業代行の利用に得られないという点はデメリットと言えます。
情報漏洩のリスクがある
営業代行サービスを利用する際、企業は顧客の個人情報や自社の経営戦略など、重要な情報を事前に共有する必要がでてきます。そのため、大切な情報が外部に漏れてしまう可能性もゼロとは言えません。事前のすり合わせが甘いと、営業代行業者もどこまでが機密情報なのか把握も難しくなります。
情報漏洩のリスクを避けるためにも、セキュリティ対策をしっかり行っている業者を選定し、担当者とのこまめなコミュニケーションを心がけましょう。
専門職には不向きである
医療や医薬品業界のように、専門用語や特有の知識が必須となる分野など、営業代行サービスの活用が難しい場合があります。契約後に「すいません、対応が難しいです」では、すり合わせの手間やコストも無駄になり、自社の評判にも悪影響を及ぼす可能性があります。
営業代行サービスに依頼する際は「代行業者がどのような実績や専門性を持っているか」という点を必ず確認しておきましょう。
営業代行サービスを利用する【3つのメリット】
営業代行サービスには、新規顧客の開拓や販路拡大などさまざまなメリットがあります。今回は、
・営業に精通した人材の確保
・コストの削減
・幅広い業種へのアプローチ
という3つのメリットについて見ていきましょう。
営業に精通した人材の確保
即戦力となる営業に精通した人材を手に入れられるという点は、営業代行サービスの大きな魅力の一つです。営業代行業者には、プロフェッショナルな営業の専門家や第一線で活躍している経験豊富な営業マンが在籍しています。営業に精通した人材を瞬時に確保できるという点は、営業代行サービスの大きな強みと言えるでしょう。
さらに、豊富なノウハウがある営業代行業者からのアドバイスは、自社の営業マンのスキルアップにも繋がります。営業代行サービスのデメリットとして「ノウハウが蓄積できない」という声もありますが、上手に利用すれば自社の営業力強化にもつながります。
コストの削減
営業代行サービスを利用することでコスト削減にもつながります。自社で営業スタッフを採用する場合、求人広告の掲載費、面接や選考のための人件費などさまざまな経費がかかります。
もちろん新人営業スタッフには、教育や研修も必要です。一線で活躍する営業マンを育成するまでには大きなリソースと経費が必要になるでしょう。
一方、営業代行サービスを利用することで、これらの費用を大幅に削減することが可能です。採用活動にかかる費用はもちろん、育成や離職防止に関わる時間とコストもかからないため、結果として全体の経費削減に繋がるでしょう。
幅広い業種へのアプローチ
多くの営業代行サービスは、さまざまな業界や地域での営業実績を持ち合わせています。豊富な経験とネットワークを活かせば、自社だけではなかなか手が届かなかった新たな市場やターゲットに効果的にアプローチすることも可能です。
また、新たな市場を開拓することで、自社製品やサービスのブランド認知度を高めるだけでなく、市場内での自社のポジショニングを強化する効果も期待できます。新たな販路開拓の糸口を探したいという企業にとって営業代行サービスは非常に強い味方になるでしょう。
【失敗しない】営業代行サービスの選び方4選
「営業代行はやめとけ」と言われる大きな理由は、営業代行サービスの選定ミスにあります。ここでは失敗しない営業代行サービスの選び方として、以下の4つのコツを紹介します。
・契約内容、条件の確認
・専門知識の有無
・実績、評判の高さ
・徹底したサポート体制
それぞれについて解説します。
契約内容・条件の確認
営業代行サービスを選ぶ際には、契約内容の確認が非常に重要です。特に料金形態の違いを理解し、自社の状況や予算に最適なものを選択することが成功の鍵を握ります。
営業代行サービスには、
・固定報酬型
・成果報酬型
・複合型
という3つの主要な料金形態があります。
固定報酬型では、契約時に決められた範囲の業務を一定の料金で代行してもらえますが、成果が出ない場合でも料金が発生するというデメリットがあります。
一方、成果報酬型では成果が出た場合にのみ料金がかかるため、初期コストを抑えることができます。しかし、成果が出にくい案件は引き受けてもらえないケースがあるので注意が必要です。
複合型は、固定報酬型と成果報酬型のバランスをとった形態で、固定料金に加え成果に応じた報酬が加算されます。それぞれメリットとデメリットがあるため、自社の状況を慎重に分析し、最適な料金形態を選択しましょう。
専門知識の有無
「営業代行はやめとけ」と言われる理由でも解説したとおり、依頼する営業代行サービスが、自社が求める専門知識を持っているかどうかは非常に重要です。たとえ業者側が「その分野の知識は得意です」と言ったとしても、自社の求めているレベルに達しているかはわかりません。
どの程度までの知識が必要か、契約前の打ち合わせでしっかりすり合わせておきましょう。
また、営業代行業者によって得意な営業スタイルも変わってきます。営業代行業者の得意な営業スタイル、営業範囲なども確認し、自社のニーズにマッチしているかしっかり確認しましょう。
実績・評判の高さ
営業代行サービスを選ぶ基準として、実績と評判の高さは非常に重要なポイントです。Web上の評価や口コミをチェックし、依頼予定の営業代行業者がどれほど信頼されているか確認しましょう。
気になる点があれば、直接担当者に問い合わせるのも一つの方法です。とくにBtoB営業の実績が豊富か、自社業界での経験があるかなど、自社のニーズに合った実績や経験をもつか確認もしましょう。
とくに専門知識や特定のスキルが求められる業界であれば、その業界の実績の有無は非常に重要です。公式サイトや問い合わせを通して導入社数や具体的な実績をチェックし、自社と同じ業界や業種で成功事例があるかどうかもしっかりと確認しましょう。
徹底したサポート体制
営業代行サービスを選定する際には、サポート体制が充実しているか確認する必要があります。導入前だけでなく、導入後のフォロー体制も充実しているか、サポートの対応可能な範囲や内容も各サービスごとで異なります。
とくに、万が一の問題発生時に迅速かつ適切に対応してくれるかどうかは、サービスの質を大きく左右します。加えて、営業代行サービスが提供するスタッフの質の維持・向上のために定期的な研修やスキルアップの機会を提供しているか、効果的なマネジメント体制が整っているかも重要なポイントです。
営業代行サービスを活用する【コツと注意点】
営業代行サービスの費用対効果を最大限に引き出すため、以下に挙げる3つのポイントを抑えておきましょう。
・自社の営業課題を整理する
・苦手分野で営業代行を利用する
・情報共有を徹底してもらう
それでは一つずつ解説していきます。
自社の営業課題を整理する
自社の営業課題の整理は、営業代行を利用する上でとても重要です。「販路拡大において何が障壁になっているか」「自社の営業にどのようなスキルが不足しているか」など、課題を整理することではじめて自社のニーズが明確になります。
自社のニーズが明確になれば、営業代行サービスの選定を間違うこともないでしょう。また、自社の課題を伝え、弱点をフォローしてもらうことでより効率的な営業活動が可能になります。
苦手分野で営業代行を活用する
営業代行サービスは、内部リソースだけでは対応が難しい分野や特殊な専門知識が必要な領域での活用がおすすめです。自社の営業戦略における弱点を的確に把握し、それをカバーする形で営業代行サービスを選ぶことにより、企業の強みを生かしながら苦手分野を強化し、全体の営業力向上が期待できます。
そのためにも、営業代行サービスを選ぶ際は業者の得意分野をしっかり把握し、自社の弱みを補強できるかを確認しておきましょう。
情報共有を徹底してもらう
営業代行サービスを上手く活用するには、情報共有の徹底が鍵となります。そのためには、契約前に営業の進捗状況や顧客からのフィードバックがどのように報告されるのか確認しておきましょう。定期的な進捗報告と情報共有を確実に行うことで、市場動向や顧客ニーズをリアルタイムで掴み、営業戦略の素早い調整が可能になります。
また、顧客の意見や要望は、製品・サービス改善のヒントや新しいビジネスチャンスにつながる貴重な資源です。適切な情報共有を通して、自社の戦略に活かす体制を整えることが営業代行の有効活用に不可欠です。
まとめ
「営業代行はやめとけ」と言われている背景には「費用対効果が薄いのでは」「ノウハウが蓄積されないのでは?」といった不安材料があります。
しかし、営業代行サービスのメリットを活かし、自社の弱点を補うことで大きな費用対効果を生み出すことも十分に可能です。また、情報共有を徹底してもらえば、自社の営業力強化にもつながります。
営業代行サービスの利用により、自社のリソースも確保しつつ、効率的に新規顧客開拓を進めていきましょう。