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トークスクリプトとは
トークスクリプトとは、直訳すると「台本」を意味します。営業活動においては、法人営業でのテレアポやコールセンターにおける営業トークのマニュアルとしての意味合いがあり、テレアポでしっかりと成果を出すためには質の高いトークスクリプトが必要です。
そもそも、法人営業における新規開拓においては、プッシュ型の営業よりもオウンドメディアやリスティング広告などのプル型の広告が主流になりつつあります。
しかし、法人営業であれば獲得したリード(見込み客)に対するテレマーケティングは頻繁に行われています。模倣が難しいコミュニケーション手法なので、他社との差別化を図りやすいメリットはあるのです。
その様な状況下で、テレアポという営業手法は、電話を受ける側にとっては、仕事を中断させる迷惑な行為というのが、一般的な認識でしょう。更にいうと、テレアポは電話を受けた相手の時間を奪う行為とも言えます。会話のスタートがマイナスの印象から始まっているといっても過言ではありません。相手の貴重な時間を頂戴する以上は、相手企業にとってしっかりとメリットが感じられる内容を話さなければ、その次の展開には進めないのではないでしょうか。
そこで今回は、営業用のトークスクリプトの課題やメリットを紹介していきます。
営業トークスクリプトを作る3つのメリット
メリット1:営業トークの改善に役立つ
後述しますが、企業の営業部における課題として、トークスクリプトが組織内で統一されていない、情報の共有がされておらず営業内容が俗人的である、などがよく挙げられます。企業の大小に関わらず結果を出している営業組織ではほうれんそう(報告・連絡・相談)や情報共有がきちんとされており、各人が戦略的に営業活動に臨んでいます。
だからこそ、営業トークスクリプトを営業の基準とすることで、組織としての戦略的なアプローチ自体を、営業のトーク部分から改善しやすくできます。基準がはっきりしてない状態での営業活動では、商談が上手くいっても失敗しても、どこに原因があったかが分からない状態であり、改善するポイントが分からないままです。
営業全員が同じトークスクリプトを用いて商談をしていれば、トークスクリプトのどのポイントを変更したら、商談が上手く進んだ、契約を受注した、というデータ収集も可能になります。そうすることで、分析すべきポイントが明確になり、営業活動のPDCAが、よりまわしやすくなるのです。
メリット2:教育効果が高まる
営業トークスクリプトが存在する事でのメリットに「教育効果」が挙げられます。
営業トークスクリプトを「教科書」として機能させることで、新人の営業パーソンであったり、経験の浅い営業パーソンにとっての営業活動の基準とすることができます。まだ自分の営業手法を確立していない新人の営業パーソンからすれば、営業トークスクリプトがあると非常に心強いものです。
営業トークスクリプトが組織内でしっかりと共有されていることで、営業力を高めたいと考える意識の高いメンバーや、ある程度経験を積んでいるメンバーにもメリットがあります。トークスクリプトと自分が話している商談内容を比較することができるからです。比較することで、自身のトーク内容の弱点や改善に役立てることが可能だからです。
しっかりとしたトークスクリプトが組織内に存在することで、新人から自走できるメンバーにとっての教育効果を高めることができるといっていいでしょう。
メリット3:新人営業パーソンの不安を解消できる
もし、電話をかけてきた営業パーソンが自信なさそうに、不安そうに話していたら、どう感じるでしょうか? 自分の会社のサービスや商品知識が十分でなかったらどう思うでしょうか?
そのような営業パーソンの企業の製品を購入・利用したいと思う顧客は多くはないのではないでしょうか?
特に現在の様なコロナ禍においては、企業の財布の紐は以前よりも固いことは想像に難くありません。
そんな中で、顧客からすれば、「自信がない」「不安を感じる」ということは、製品・サービスやその提案に本当は勧められない点があるのではないかと、疑ってしまいます。それに、この担当者に任せて大丈夫かと、不安に感じることでしょう。
そんな時に、営業トークスクリプトをしっかりと準備して頭に話す内容が入っていれば、自信を持って堂々と話せるようになります。とくに、まだ商談に自信のない新人の営業パーソンにとっては、トークスクリプトがあることで不安を解消する一助となる事は確実でしょう。
営業トークスクリプトの課題点とは?
ほとんどの営業部や組織に当てはまると思う「営業あるある」ですが、テレアポのトークスクリプトは「個々の営業マンのPC」,「個々の営業マンの頭の中」に保存されていませんか?同じ営業部のメンバーでありながら、お互いに相手がどんなトークスクリプトを持っているか把握していない、なんてことは無いでしょうか?
各営業マンが話しやすいようにカスタマイズされていること自体悪いことではありませんが、組織内でバラバラの状態で管理されていることは正しい管理方法とはいえません。
上記のような場合では、次のような課題が生じてしまうことが多くなります。
①アポイント獲得率にバラつきが出る
②アポイントの質に差が出る
③最新のトークスクリプトが把握できない
④テレアポトークのノウハウが蓄積されにくい
上記の様な課題は、組織において営業スキルの属人化を招き、アポイントが取れない営業マンは営業機会を作ることができずモチベーションが低下、また、若手が育たない原因ともなり、ひいては組織全体の営業力が低下する恐れがあります。
トークスクリプトだけの問題ではありませんが、営業スキルの属人化を放っておくことは得策ではありません。
トークスクリプトの作成のポイント
売れる営業トークスクリプトの作り方3つのポイント
営業スキルの属人化を防ぎ、組織内で情報共有をしっかりとおこなった上で、効果的な営業トークスクリプトを作成するにはどうすればいいでしょう。下記にポイントをまとめてみました。
ポイント1:顧客のペルソナを作っておく
ペルソナ(persona)とは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、マーケティング関連において活用される概念です。
その商品やサービスを利用する代表的な顧客像を想定し、その人物にマッチするように施策をします。マーケティング領域では、実際にその人物が実在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイル……などリアリティのある詳細な情報を設定していきます。
営業トークスクリプトを作る際にペルソナが有効な理由、 それは、「誰に話すか」を想定する事が大事だからです。
テレアポを実施するのも、トークスクリプトが存在することも、目的は、受注をすることです。アポイントを取ることや、トークスクリプト通りにしゃべることが目的ではありません。
なのでペルソナを設定する際は、「相手はどんな企業なのか?」「役職や担当業務は?」「抱えている課題は?」の3つを抑えておくことは必須です。具体的な人物像を想定する事でトークスクリプトが作りやすくなるのではないでしょうか。
ポイント2:顧客の課題にピントを合わせる
マーケティングの入門書としてのオススメに『ドリルを売るには穴を売れ』という佐藤義典さんの書籍があります。
書籍の内容を要約すると、マーケターなら誰しもが知っておくべき4つの基礎的な理論、
①ベネフィット
②セグメンテーションとターゲティング(以下、S&T)
③差別化
④4P
が解説されています。
あなたが工具のドリルを売っているとした時、あなたが売っているものはドリルに違いないですが、顧客にとってはドリル自体ではなくドリルが開ける穴に価値があります。この穴が、顧客が欲しているベネフィットであり、ドリルは手段に過ぎません。その目的を達成できるのであれば、別にドリルでなくても構わないですし、工事業者に依頼をしてもよいわけです。
穴を開けたい顧客に対して、それ以外のメリットをアピールしても、顧客の心には刺さりません。顧客の抱えている課題に耳を傾けないで、製品・サービスのセールストークを重ねるのは、「このドリルならネジも締めれます!」と一生懸命にアピールしているようなものです。
顧客の課題を想定できていないトークスクリプトでは、どんなにメリットを説いたとしても担当者の心に刺さる商談やトークにはならないでしょう。ピントを合わせ、解像度を高めたトークスクリプトが必要とされます。
ポイント3:具体的な数字やデータで解像度を高める
「とても便利です」「効率がよくなります」と定性的なワードを用いたトークでは、顧客が興味や関心を持ってくれる可能性は少ないでしょう。
定性的な内容で終始してしまうトークスクリプトでは、テレアポや商談も曖昧な雰囲気で、担当者もイメージがしづらいままになってしまわないでしょうか。
最近では、多くの組織が定量的なロジックで、さまざまな局面を判断することが定着してきていますし、具体的な数値がないトークや資料では信憑性を感じることは難しいでしょう。
曖昧な表現は極力避けて、具体的な数字を取り入れたトークスクリプトを作ることが必要です。
トークスクリプト活用時の注意点
オペレーターにとって、トークスクリプトは業務の助け舟となる重要なものです。しかし、お客様に「マニュアルを読んでいるだけ」に聞こえてしまうと不快感を抱いてしまいます。自然な会話として伝わるように、事前に練習しておくとよいでしょう。
また、トークスクリプトはあくまでも「いち台本」であり、完璧に覚えるようなものではありません。一語一句間違わないように読んでしまうと、マニュアル化してしまい、機械が対応するのと同じような印象を与えてしまいます。全体の流れはそのままで、語尾や単語の選び方はオペレーターが話しやすい言葉に変更しても良いというルールがあってもいいかもしれません。また、流れどおりの返答にならない場合には柔軟な対応ができるように心がけることも大切です。
まとめ
コロナ禍でリモートワークが推進され、働き方改革が声高に叫ばれる現在、無益な面会を避ける企業が急増するなか、テレアポの難易度はますます高くなっています。
そんな逆風の中で、いかにテレアポから商談を成功に導き、競合他社に頭一つや二つ抜ける差を作るには、もはや単純な営業トークでは生き抜くことはできない。質の高いトークスクリプトの存在、そのスクリプトによる練習によって成果が左右されるのではないでしょうか。
営業トークスクリプトの実行フェーズでは「営業組織全体での情報や戦略の共有や、ノウハウの蓄積」が大切です。組織一丸で成功に導く気持ちを大事に、営業力を高めていきましょう。
より効果的な営業活動を目指す方へ
効率的なテレアポにはトークスクリプト同様に、質の良い法人名簿リストが不可欠です。営業用企業リスト販売サイトの法人名簿エンジンでは、常に最新の業界別・目的別法人名簿・営業リストを購入することができます。自分でリストを作る必要はなく、リストを購入することで、データをダウンロード後すぐに営業活動を行なうことが可能です。リスト作成における無駄な工数は省けれるので、コストパフォーマンスも良く効率的に営業活動を行なえます。
テレアポの効率をもっとあげたいと考えている企業様は、リストの購入も検討してみてはいかがでしょうか。